かわいひでとし日記
令和5年12月3日      日本のエンタメの底力      歌舞伎、松竹、東宝
  
自分は子供の頃からずっと、古い日本映画を観るのが好きだった。

東宝の駅前シリーズ、社長シリーズ、松竹の寅さん、その他、

自分が生まれる前の日本映画から現代のものまで、

今までたくさんの日本映画を観たのだった。

松竹の小津監督や山田洋次監督の映画、

東宝の黒澤明監督の映画などが代表する、日本の映画は、

独自の芸術性や娯楽性を持っている。

昔から海外でも高く評価もされている。

なぜ日本映画にはそんな力が有るのだろうと考えて見て、すぐに思うのは、

200年も前から有る歌舞伎などのエンターテインメントの文化だ。

実は自分は歌舞伎も大好きで、一時期は毎月2回ずつ歌舞伎座に通っていたほどだ。

歌舞伎は実に凄いエンターテインメントで、良く練られた脚本、秀逸な演出、

素晴らしい舞台装置や役者の力量、

どれをとっても現代のものに全く引けを取らない高レベルなものばかりだ。

この脚本が200年も前に書かれたものなのか、と信じられない気持ちになった事が何度も有る。

歌舞伎の演目というものは、実に幅が広い。

ミュージカルの様に踊り中心のもの、実に芸術的なもの、

まるで絵画を見ている様に美しい時代劇、笑いと人情の現代劇(江戸時代の現代劇)、

そして荒唐無稽でハチャメチャなエンタメ、と、あらゆる分野が有る。

歌舞伎は江戸時代のテレビ、と言われるが、全くその通りだ。


親狐の皮で出来た鼓を慕ってついてくる子狐が人間に化けて、最後にその鼓を貰い、

喜んで山に帰ってゆくシーンは、狐が空を飛んで行く宙乗りという演出で行われる。

江戸時代は荒縄で、現代ではワイヤーで役者を吊って空を飛んでゆくシーンを再現する。

八百屋のお七という娘が、火事で避難した先のお寺のお坊さんに恋をしてしまい、

また火事が起こればあのお坊さんに会えると思いつめ、放火してしまう、

という事件を舞台化した芝居は、色々なバリエーションで上演された。

櫓の上に火災の時に警報として叩く太鼓が設置して有り、真っ白に雪が積もった中、

お七が赤い着物を着て櫓に登って太鼓を叩くシーンなど、

どうしてこれほど美しい演出が出来るのだろうと心底驚く。


女装した男が店に行って自分の懐から出した商品をもう一度懐に戻す、

するとそれを見ていた店の人間が万引きと勘違いする。

それに対して因縁をつけ、多額の金銭を要求する、というハチャメチャなストーリー。


ある家のお姫様の結婚を阻止する為、天井裏に磁石を持った忍者が潜み、

お姫様の鉄製の櫛を引き寄せて、髪の毛が逆立つ奇病であると見せかける、

という荒唐無稽なストーリー。


などなど、これらを非常に優れた演出と役者の演技で違和感無く、

説得力の有る舞台にしている。

歌舞伎は本当に凄いエンタメなのだ。


こういう文化的な下地が有ったからこそ「日本映画」というジャンルが確立出来たのだろうと思う。

黒澤明の映画はアクション映画、娯楽映画なのだけれど、脚本が秀逸で、

面白い映画というのはこうやって作るのだ、というお手本を世界に示した。

小津安二郎や山田洋次はユーモアや哀愁を淡々と描いて心を揺さぶる映画を作った。


この世界に、松竹や東宝が有って本当に良かった、とつくづく思う。


さて、東京に大怪獣が現れ、暴れ回って街を破壊する、という荒唐無稽な映画、

「ゴジラ」は、1954年の第1作から今年で70年、30作目が公開された。

山崎貴監督の「ゴジラ -1.0」は、シリーズ最高傑作になったと思う。

自分は既に映画館で2回観てきた。

近いうちにもう一度観に行きたいと思っているところなのだが、

ゴジラの第1作目をもう一度観たくなって観てみたのだ。

70年前のモノクロの映画であるけれど、突っ込みどころは色々有るけれど、

実に素晴らしい、これぞ「日本映画」と思える様な素晴らしい作品だ。



「ゴジラ-1.0」は、12月から北米でも公開が始まり、圧倒的に評価されている。

シリーズ最高傑作という声も多い。

ゴジラは70年かけて、荒唐無稽な単なる娯楽映画を、ひとつの文化にしてしまったのだ、

という日本映画の底力を見せつけられた思いを強く感じる。


この世界に、「日本映画」が有って本当に良かった、とつくづく思う。


https://www.youtube.com/watch?v=5YGTEqm9ZtY



https://www.youtube.com/watch?v=VvSc3hU0ihY





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