令和4年1月25日. はずかしい修行 さらけだす |
自分は子供の頃から大人しくてシャイでカヨワイ少年だった。 それを少しずつ少しずつ成長させてきたのは色々な経験だと思う。 この歳になってもまだ成長が足りないとは思うものの、あんなに内気な少年だったのに、 ずいぶん成長したものだ、とは思う。 小学生の時は全寮制の小学校に居たのだけれど、毎月、誕生会が有った。 その月が誕生月の子をお祝いする会で、講堂で出し物をしたのだった。 各寮から、歌とか演劇とかコントとか、舞台で披露するのだ。 みんなが見ている前で芝居をするのは恥ずかしかったけれど、毎月やっているうちにだんだん慣れてきたのだった。 自分が6年生になってリーダーとして出し物を作る番になった時、色々考えて、 図書館で児童用の演劇の脚本を探してきて、それをやったのだった。 いつもテキトウなコントだか何だかわからん様なものが多かったので、まじめに劇をやってみようと思ったのだった。 やってみたら、大好評で、特に先生方から、たくさんのお褒めの言葉を頂いた。 考えてみると、あの毎月やる誕生会は舞台慣れの修行でも有ったのだなあと思う。 そして、シャイだった少年が30代になって、エアロビクスのインストラクターになってしまった。 まだ養成コースに通っていた時に、先生から「代行来てるから、行きなさい」と言われた。 イントラがお休みで、その代行でレッスンする仕事が入ったのでやってきなさい、というわけだ。 ええ? まだ無理ですよぉ、、、 と言ったのだけれど、 行きなさい、 と言われ行ったのだった。 郊外のスポーツクラブ、午前中のレッスンで、スタジオの中は主婦でぎっしり満員だった。 最初から最後まで一本通してやった事が無かったのに、いきなりのレッスンで、もう何をやったのか全く覚えていない。 やりながら、あと何分だろう、と、後ろの時計を鏡越しに見たのだけれど、何度見ても今何時何分なのか解らなかった。 「場数を踏む」という言葉が有るけれど、そうやって経験を積んでいくのですね。 養成コースを卒業してから、今度はオーディションという難敵に立ち向かう事になった。 スポーツクラブのオーディションを受けて、受かれば仕事を貰えるわけだ。 審査をする先生方が後ろに立って見ている前で、誰も居ないスタジオで一人でレッスンをやってみせるのだ。 これは本当にキツい、、、。 満員のスタジオでやるつもりで、ハイテンションでやらなければならない。 まだ場数を踏んでいない新米にとってはかなりキツい。 (ベテランになると、これくらい平気でできちゃうのだけれど) やりながら、自分が立っている場所に穴が開いて地球の裏側まで落ちて行けばいいのに、と思ったものだった。 インストラクターに限らず、人前に立って何かを演じたり話したりする仕事というものは、 お客に全部見透かされるものだと思う。 いつも出ているレッスンのイントラが、今日はちょっと調子悪いみたいだね、とか、 ちょっと考えがまとまっていないみたいだね、とか、受けているほうはすぐに解るものだ。 人前で演じるというのは、全部見透かされるものだと解っているので、 ミスしても変に取り繕わないほうが良いということも分かった上でやるものだ。 要するに、全部さらけ出す仕事なのだ。 これは本当に良い修行になると思う。 若い芸人さんなんかを見ていても、同様の事を感じる。 そこで変に取り繕わないで、全部さらけ出しちゃえ!と思ったりする。 大ベテランの噺家さんが、毎日「もう一度勉強し直して参ります」という口上を毎日練習していた、という話が有る。 年齢を重ねて、落語を間違って喋ってしまった時に、潔く謝って高座を降りる練習をしていた、というのだ。 生涯勉強ですね。 さて、スポーツクラブでスタジオレッスンに出る事は有るでしょうか。 初めて出る時って、結構恥ずかしいものですよね。 でも、勇気を出してスタジオに入ったあなたは、本当に素晴らしい。 貴重な、大きな一歩を踏み出したのです。 それで、レッスンで間違えまくって、すごく恥ずかしい思いをしながらやったとしたら、 それは本当に良い修行になったと思います。 恥ずかしいのをガマンして、えいっ!と気合を入れてやってみる、これは本当に大切な事で、 ものすごく貴重な経験だと思います。 傍から見ると大した事が無い様なささいな冒険でも、自分にとっては恥ずかしくて敷居が高い事だったりしますが、 それを乗り越える、というのはとても大切な事だと思います。 そうやって場数を踏んで成長して行くものなのですね。 ちょっとの勇気を出してやってみましょう。 お金では買えない、貴重な修行の機会を失わない様に、ちょっとの勇気を出して乗り越えてみてください。 そういうわけで、人生の最大の敵は、 めんどくさい、ダルい、ハズい、やりたくない、時間が無い、また今度、そのうち、まあええわ、 ということになります。 人間は、修行して成長しなければなりません。 一歩を踏み出しましょう。 なんだかわかんないもの 適合する 泣いて嫌がるものを無理やり |
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