アキラ・ザ・ハスラー展

 

ドアを開けて中に入った途端、小さなショックを受けた。

決して広い空間ではないけれど、殆ど何もない空間に、

たくさんの光が流れているのが目に入ったからだった。

ガランとした空間にミラーボールの光が流れている。

壁に投影されたビデオでは、ハスラー・アキラがフェラチオをしている。

殆どこれだけの空間、、、、、、、、。

自分が入った直後に次のお客が入ってきた。

ドアが開いて、中に入って来たものは、、、。

中に入って来たものは、、、、。

なんと、

ベビーカーだった。

また小さなショックを受けた。

小さな赤ん坊を乗せたベビーカーが、この、

フェラチオをしている映像が流れる空間に入って来たのだった。

入って来たのは、外国人の女性数名のグループだった。

女性達は、なんのためらいもなく、

性描写のビデオを正視した。

部屋中に光が流れている。

ビデオと反対の壁面には、

ハスラー・アキラが撮った、お客や恋人の写真が掛けられている。

壁からシャワーヘッドが突きだしている。

壁面の映像は、

友達と戯れるアキラ、

フェラチオをするアキラ、

アナルセックスをするアキラが映し出されていく。

ハスラー・アキラは、「どんな内容の展覧会なのか」

と聞かれて

「僕の日常生活」だと言っていた。

日常。

そう、セックスって、

日常、普通に行われる事なんだ。

誰でも、日常やっている事なんだ。

こうして、子供も女性も一緒にこの空間にいる事が、

この展覧会のテーマを見事に表現していた。

 

その部屋を出るまでに、

ビデオは2周していた。

どれくらいの時間、中にいたのだろう。

外に出ると、もうすっかり暗くなっていた。

 


アキラ・ザ・ハスラー展
2000年10月27日〜11月18日に
渋谷区恵比寿のオオタファインアーツで行われたものです。

ハスラー・アキラの説明


   

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