博物館とは?
壊れた鍋だの、欠けた茶碗だの、そこら辺に落ちていたガラクタを集めて並べて有るところ。

 見知らぬ町で「郷土資料館」を見つけるとふらっと入ってみる事が有るのだけれど、そこに有るのは壊れた鍋釜、柄だけの鍬、壺のかけら、生ゴミの残骸死んだ動物の骨などが、さも大事そうに並んでいる。
郷土資料館よりはちょっと高級だと思われる「博物館」へ入ってみると、やはり同じ様なものが並んでいる。


 同じ茶碗の欠けたやつでも、3000年前のものから30年前のものまで、年代は色々だけれども、どの年代のものでも、どっかのおばはんが、夜遊びが激しい亭主の頭をどついて割れた茶碗だったりするわけです。3000年前のおばはんも、30年前のおばはんも、あまり変わらないのであります。
女にだらしない亭主とその頭を茶碗でどつく女房は、こうして3000年、いや、5万年前から現在に至るまで、どの時代にも存在して来たわけであります。

今日は、江戸東京博物館へ行って来ました。

 


「近くて懐かしい昭和展」(〜9月17日まで)をやっていました。
俺が懐かしいと思うには、ちと古すぎという気がしましたが、昭和20年代とそれ以前にお生まれの方にはとても懐かしいものがいっぱい並んでおりました。

高度経済成長が始まった30年代の3種の神器、テレビ、洗濯機、冷蔵庫、
「ワタナベのジュースの素」だの、
「オリエンタル マースカレー」だの、

力道山のチャンピオンベルト、薬屋の前でお愛想する「サトちゃん人形」洋菓子屋の前でお愛想する「ペコちゃん人形」、それにダイハツミゼットなどなど、昭和のガラクタが集められておりました。



常設展示のゾーンは、江戸ゾーンと東京ゾーンに分かれています。


江戸にしろ東京にしろ、昭和にしろ、共通しているのは、
日用品、職業、商業、住まい、出版物、事件など。
瓦版は新聞、三井越後屋江戸本店は三越本店、豆本、黄表紙などは少年サンデー、マガジン、平凡パンチ、

棟割長屋は同潤会アパート、、。
昔も今も、瓦版がTVやインターネットになっただけ、両国橋西詰の歓楽街が渋谷や新宿に移っただけ、人間はちっとも変わっていないのですね。
300年前でも、3万年前でも、いつの時代も同じ人間だったんだなぁ、、。

手前が新宿駅、左端の建物はタカノフルーツパーラー、右奥は闇市


つづく