2018.02.19 清明とセルバンテス
オリンピックの頂点にふさわしい文化的背景
思春期の頃から、古い映画を見るのが好きだった。
とても感動した映画のひとつに「ラ・マンチャの男」が有った。
腰が抜けるほど感動したのを覚えている。
映画の構成が、作者のセルバンテスが宗教裁判にかけられる為に牢獄に入れられるというものになっていたのが感動の大きなポイントだった。
牢獄の中で彼は、牢の長老たちの主催する裁判にかけられる。
自分の主張をするために、彼は演劇で自分を弁護するのだった。
劇の登場人物を囚人たちに演じてもらったその劇がドン・キホーテの物語だった。
最初の内はセルバンデスに反感を持っていた囚人たちも、物語が進むにつれて彼に同情してゆく。
やがて、物語が終わりに近づくと、ガラガラガラと、
夢が破られるかの様に鎖が巻き上げられる音がして、牢獄の出口が開き、
彼は宗教裁判に連れられて行く。
見送る囚人たち、、、、。
この構成にやられてしまって、本当に腰が抜けるほど感動したものだった。
ピーター・オトゥール、ソフィア・ローレンが出演した「ラ・マンチャの男」(1972年)。
その音楽を、スペインのセルバンデス、じゃなかった、フェルナンデスがフィギュアのフリーで使ったのを見て、あの映画を思い出したのだった。
ピョンチャンオリンピック 銅メダル フェルナンデス
https://www.youtube.com/watch?v=JYwZ7ePJEPY
スペイン人がドン・キホーテの物語の曲を使う、日本人が安倍晴明の曲を使う、
この文化的背景を持った重さはまさにオリンピックの頂点にふさわしいのだなぁと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=Vb0HthLg1gA
何故か何度も見たくなるので、改めてじっくり彼らの演技を見てみた。
専門的な事は何もわからないのだけれど、やはり羽生結弦選手の演技は美しかった。
音楽との調和が素晴らしいと思った。
上半身もたくさん使って演技していた。
荒川静香さんのあの振り付けまで入っているのだ。
フィギュアスケートの事は本当に良く解らないのだけれど、
見ていて本当に上手いなあ、美しいなあとは思える。
だから、テレビでジャンプの事ばかり言うのにはちょっと反感を持っていた。
高橋大輔選手のスケートはとても良く滑っていたし、上手いと思ったし、美しいと思ったものだった。
今回の羽生選手の演技は何度も見てみたくなる感動が有った。
テレビで録画された彼の演技の部分だけを切り取って保存したのだった。
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